かむいこたん 〜まじんとえいゆうしんのげきとう〜
No.2神居古譚 〜魔神と英雄神の激闘〜
昔々、上川アイヌの人々を滅ぼそうと悪さをした魔神ニッネカムイが、英雄神サマイクㇽの刀で成敗され岩になったという伝説が残る場所です。カムイコタンは交通の難所として、石狩川を舟行するアイヌはこの地を通るたび神々に安全を祈っていたといいます。毎年9月には、こたんまつりが開催され、魔神の霊を鎮め、交通の安全を祈っています。
構成要素
(1)神居古潭おう穴群ニッネカムイ・オ・ラオㇱマ・イ〜魔神の足跡〜
川岸の岩盤のくぼみに入った小石が、水流の影響で回転し、長い時間をかけてくぼみを掘り下げてできた円筒形の穴を「おう穴」といいます。全長1,200メートルの間に分布し、天然記念物として、旭川市指定文化財に指定されています。この地に伝わるアイヌ伝説では、英雄神サマイクㇽに追いかけられた魔神ニッネカムイがぬかった足跡といわれています。すぐ上流の岩には、サマイクㇽが切りつけた「刀痕」が見られます。
市指定記念物
(2)魔神の胴体 ニッネカムイ・ネトパケ
ニッネカムイ覆道が通る巨岩は上川アイヌの英雄神サマイクㇽの刀で切り離された、魔神ニッネカムイの胴体だといわれています。ここ神居古潭には熱や圧力の影響で変成作用を受けた変成岩が多く見られ、「魔神の胴体」も対岸の「魔神の頭」も泥質片岩という変成岩です。他にも蛇紋岩やチャート、緑色岩といった「神居古潭変成岩」が容易に観察できることから、国内外の岩石の研究者も訪れています。
(3)魔神の頭 ニッネカムイ・サパ
上川アイヌに伝わる「サマイクㇽ伝説」によると、この岩は英雄神サマイクㇽにやっつけられた魔神ニッネカムイの頭だといわれ、対岸には胴体とされる岩もあります。他にも奇岩が見られるここ神居古潭は、大陸プレートと海洋プレートの移動と衝突によって長い時間をかけて生まれた場所です。観光地としてだけでなく泥質片岩や蛇紋岩といった「神居古潭変成岩類」が観察できる「神居古潭変成帯」としても知られています。
基本情報
- 文化財の名称
- 神居古譚 〜魔神と英雄神の激闘〜
- 所在地
- 旭川市(自治体情報へ)
- 関連リンク
- 川村カ子トアイヌ記念館ホームページ
http://k-aynu-mh.jp