いだいなるそせんをたたえるぎしき
No.14偉大なる祖先を讃える儀式
明治2年、兵部署石狩役所から発せられた強制移転命令に反対し、上川アイヌの人々の生活の場を守りとおしたリーダーであるクーチンコロや、大正末期から木彫熊の創作を始め、振興発展と後進の指導育成に尽力した上川アイヌの木彫りの開祖である松井梅太郎を称える儀式です。
構成要素
(1)クウツンクレ(クーチンコロ)
明治初期、石狩川上流域を生活の拠点としていた上川アイヌが、役所から石狩への集団移住を命ぜられたことがありました。その時にリーダーとして異議を唱え、上川アイヌを守り抜いたのがクウツンクレ(クーチンコロ)です。「クーチンコロ顕彰碑」はそのような彼への感謝と、偉業を讃えて建てられました。またクウツンクレ(クーチンコロ)は他にも、幕末の探検家であり北海道の名付け親である松浦武四郎の探検の先導を務めたことでも知られています。
(2)松井梅太郎
明治時代から始まった上川アイヌの生業の一つが、土産品の製作でした。木彫熊は、一説には上川アイヌの若者から始まったとも言われています。特に松井梅太郎は、卓越した技術で表情豊かな熊を彫り上げました。熊狩りが得意だった松井は、まぶたの奥に残る熊の姿や躍動感を木彫で表現しました。上川アイヌはもともと木への愛着が強く、松井もまたその精神性を受け継いでおり、さらに磨きをかけた技術は弟子にも伝授しています。おかげで木彫熊は、北海道を代表する土産品となるまで成長しました。
基本情報
- 文化財の名称
- 偉大なる祖先を讃える儀式
- 所在地
- 旭川市(自治体情報へ)
- 関連リンク
- 川村カ子トアイヌ記念館ホームページ
http://k-aynu-mh.jp