上川アイヌの文化を伝承している「川村カ子トアイヌ記念館」では、見応えのある資料展示のほか、アイヌ文化に触れられる体験プログラムが豊富にそろっています。
シリーズでご紹介してきましたが、最後となる今回は、同館の川村久恵副館長の言葉です。
アイヌ文化の奥にあるものを伝えていけたら
実はアイヌという民族はとても柔軟で、「昔ながら」に縛られることなく、時代に合わせて新しい物や事を取り入れています。
ですから、文化のあり方も当然変わってきていて、例えば衣服は、儀式の時以外は、皆さんと同じような洋服を着て暮らしていますし、食事だって、皆さんと同じようなものを食べています。
ただ変わっていないのは、「万象万物にカムイ(神)が宿り、私たち人間や動物だけではなく、森にも川にも命がある。私たちは一緒に生きている」「だから感謝する、大切にする、助け合う」といった精神的支柱となる考えです。
体験プログラムを通して、このようなアイヌの心について、伝えていけたらうれしいですね。
聞き手)ライター孫田二規子