アイヌ文化を継承する「第62回こたんまつり」が、9月23日(2019年)、日本遺産構成文化財の一つ神居古潭(かむいこたん)で行われました。
日本遺産認定ストーリーと文化財:神居古譚 〜魔神と英雄神の激闘〜
人々の安全を祈る儀式「カムイノミ・イナウ」では、アイヌの長老たちが、この地の神さまに祈りや供物を捧げた後、イナウ2本を石狩川に投入。
その昔、水の流れが急で交通の難所だったこの地で始まった独特の儀式です。
ちなみに「カムイノミ・イナウ」とは、直訳すると、カムイノミ(神に祈る)・イナウ(祭具のひとつで木弊、もくへい)という意味です。
儀式の後には、口で奏でるアイヌの伝統楽器ムックㇽ(またはムックリ)や、アイヌ古式舞踊(国指定重要無形民俗文化財)も披露されました。
最後の輪踊りシリカウポポが始まると、来場者も飛び入り参加。よく通る美しいアイヌの歌声に合わせ、手拍子をとりながら踊りました。
終始、冷たい雨が降り続くあいにくの天気でしたが、旧神居古潭駅周辺では、地域のおいしいものを集めた「こたんマルシェ」も開かれ、来場者は1800人にものぼりました。
旭川ではアイヌ文化がとても身近なのですね。
文)ライター 孫田二規子