三千櫻(みちざくら)酒造(上川郡東川町)

町、酒蔵、JAが三位一体となった酒造り

2020年、北海道で唯一の上水道施設のない町・北海道上川郡東川町に、公設民営型の新しい酒蔵「三千櫻(みちざくら)酒造」が誕生しました。

同町は、大雪山の伏流水を生活水とする水に恵まれた町で、この水を使った米作りも盛ん。

そこで日本酒を特産にしようと酒蔵建設に乗り出し、酒造りを一任する職人を公募したところ、委託先として手を挙げたのが、岐阜県中津川市で明治初期に創業した老舗「三千櫻(みちざくら)酒造」だったのです。

写真提供:三千櫻酒造

施設の老朽化に加え、気温上昇で酒米の冷却作業に支障が出ていた同蔵では、冷涼な北海道への移転も視野に入れていたといい、この機会に設備、従業員とその家族とともに引っ越してきました。

酒米はJAひがしかわの有志が、同蔵のために酒米「彗星(すいせい)」と「きたしずく」の生産に挑戦。

町、酒蔵、JAが三位一体となった酒造りが始まりました。

写真提供:三千櫻酒造

同蔵の山田耕司社長兼杜氏は、「北海道産の酒米に興味があった。先代から受け継いだ〝この先100年続くおいしい酒〟を造るのにこの場所と酒米はふさわしい」と、新天地で酒造りに励んでいます。

左から東川町酒米を使った「彗星 純米吟醸」「彗星 純米大吟醸」「きたしずく 純米吟醸」「きたしずく 純米大吟醸」

三千櫻酒造